インドージ湖旅日記

 さて今回私はミチナーから西の方にあるインドジという湖に行って来ました。
私は車で行ったのですが、マンダレーからミチナーへ汽車で行く途中にホーピン
という駅が在 り、ここから車で行くのが普通のようです。

しかし車のほうが汽車より速いそうですし、また車は乾季の今だから行きやすい
が、雨季の時は大変だと言うので車にしました。実際行って見るとホーピンまで
は舗装されていましたが(とはいってもいたる所に破れがあるし、車はバネはき
かないしですから舗装の価値はあまりありませんが)そこから先の山道は舗装さ
れていませんでした。

私の乗った車もぬかるみにはまって動けなくなり、通りかかった木材運搬のトラ
ックに引っ張ってもらってようやく抜け出すということがありました。結局朝6
時に出て昼12時に着きましたが麗江に比べればちょろいものです。

その後ボートで(ルアンプラバンでタムティン洞窟に行く時乗ったようなやつで
すが屋根はありません)湖を一回りしましたが本当に美しく情緒あふれる湖でし
た。

水鳥が湖上に羽を休めておりボートが近づくとそれがいっせいに飛び立ち楽しま
せてくれます。今回210ミリの望遠レンズを持って行ったのですが、これでは
残念ながらまだ役不足でした。しかし望遠鏡がわりに見るだけでしたら結構楽し
めました。

宿は湖畔の民家です。と言っても客を泊めるように部屋を開けてあるので民宿の
ようなものです。これらの部屋やトイレなどは雨季に備えて互いに渡り廊下のよ
うに板を渡してつながっています。今は乾季ですから下は地面で高さが1m以上
あります。

板もそんなにしっかりした物ではないので、しなったり、傾いたり、ぐらついた
りしますから慣れないうちはちょっとこわいです。下は地面なのですからそこを
歩けば良さそうなものですが、雨季のほうが長く、慣れているせいなのでしょう
か乾季でも板を渡ります。

こんな板ですが結構大事にしているようで、宿の女の子はよくこの板をほうきで
掃いていましたし、下の地面にはニワトリが放し飼いにされているのですが、こ
れがよく板の上に上がって来ます。そうするとその度毎に女の子が部屋から出て
来ては追い落としています。

部屋の前は板と同じ高さのテラス(といってもここも板ですが)になっていて、
その一角には竹を編んだむしろみたいなもので囲われた所があります。ここが風
呂場で中にはルアンナムタやブタオ(日本の本ではプータオとなっていますが向
こうの人の発音はこんな感じで、語尾が上がります)で、すっかりおなじみにな
った、半分に切ったドラム缶に水が入っています。

水ではちょっと寒かったのですが、囲いは頭が楽に出る高さですから、夕暮れの
湖が一望出来、スッポンポンになっていることもあいまって、その開放感といい、
気分は最高です。

夕食は近くの食堂で湖の魚づくし、20cmくらいのフナのようなものの塩焼き
は結局一人では食べきれませんでした。明かりは道沿いに街灯があるだけで、室
内はロウソク、空には満天の星、子供の時に見たオリオン座や北斗七星が緯度の
違いで位置は少し変わっていますがよく見えます。

宿へ戻ると折りしも目の前の湖から大きな満月が上がって来るところ、しばし見
とれ、寝床に入りました。時計を見ると7時半。

 翌日は森の中に小屋掛けで木を切り出している人達を訪ねます。車で行ける所
まで行って、後は歩きです。1時間ちょっと歩きました。竹の葉で屋根をふいた
だけの文字通りの掘立小屋です。小屋の住人に話しをつけて小1時間程待つと、
やってきました。象です。

チェンマイでもお馴染みの象を使って木材を運搬しているのです。そこへ押し掛
けて行って作業を見せてもらうというわけです。そしてさらに乗せてもらうので
す。乗るといってもそこら辺を歩くというのではなく、歩いて来た道を戻るので
す。チェンマイの場合は象の背中に座席があって台の上から乗りこんだ訳ですが、
ここにはそんなものはある訳もなく、一瞬麗江のロバを思い出したのですが、さ
すがに乗る物を用意してくれました。しかしそれは荷物運搬用の竹で編んだ籠で、
なんのことはないそこに放りこまれただけでした。

歩いて来た道は竹が多かったのですが、その竹が上の方で絡まっており、竹のト
ンネルのようになっています。来る時は気にもしなかったのですが、象の上に乗
ると思ったよりも高く、頭がつかえてぶつかります。それを前に乗って象を操る
おじさんが象の耳の所に置いた足と言葉で象を止め、近くへ寄せ、右手に持った
長さ50cmくらいの山刀で切り落とすのです。この山刀の切れ味は鋭く直径5
cmくらいの竹が文字通り一刀両断されます。

これを私の目の前で振りまわすのですから、ヒヤヒヤものです。しかも切り取ら
れた竹の枝が落ちて来ますからそちらにも注意を払わなければなりません。もち
ろんおじさんも気にはしているのですがなかなか全部と言う訳にはいかないよう
で、実際落ちて来た竹の枝が象の頭に当たり「コン」という音がしたりします。
象は慣れているようでフンでもありませんが、私の方はそれでなくても籠の中で
転がりまわっている所へもって来て、避けようと又体を使う訳ですから一仕事で
す。

こうして来た道を1時間程かけて車の所まで戻りました。