第5章 資料
花粉分析とは
花粉は100分の1ミリから50分の1ミリの粒子で、一つの葯の中に多いものでは数万個の花粉を持つ。
受粉のために葯から出た花粉の大半は地上に落下する。
しかしその外膜は大変強い化学物質でできているため、
落下した所が水分の多い泥炭地のような所では何万年でも原型を保ち化石として残る。
有機物が分解されにくい泥炭1gの中には10万個以上の花粉が含まれている。
木や草の種類により花粉の形が異なるので顕微鏡で観察する。
胃の中に入っても消化されないので、胃の中の残渣や糞石から何を食べたかがわかる。
植物分類では門・綱・目・科・属・種となっているが、花粉分析は属の段階まで識別でき、そこから母樹を推定する。
母樹は種子、果実、毬果などの大型植物遺体を用いる。
花粉分析の実地例
花泉遺跡(35,000年前)
アカエゾマツの毬果
海抜50m前後の遺跡周辺に現在の海抜1000〜1200mの亜高山帯に生育する亜寒帯針葉樹林があった。
高度による気温減率が0.5〜0.6℃/100mとすれば、当時の年平均気温は6〜7℃現在より低く、現在の樺太南部と同じ気候であった。
氷河時代の大型哺乳動物の化石
シベリア・カムチャッカから南下して来たマンモス動物群
マンモス、ヘラジカ(亜寒帯針葉樹林地帯に生育)
中国北部から朝鮮半島を経て北上して来た黄土動物群
ナウマンゾウ、オオツノシカ、野牛、蒙古ウマは草原の環境に生育
とが共存
3万年前以降ウマ日本に来る
ヘラジカ、二種類のウシ(バイソン、オーロクス)と共に大陸北部から
北海道空知支庁秩父別湿原(海抜40m)最寒冷期(20,000年前)
24000年前を境としてトウヒ属からダケカンバ・カバノキ属
森林ツンドラあるいはパークランド的な植生
当時間宮海峡・宗谷海峡は海面の低下により干上がり
北海道は樺太・シベリアと完全に陸続き
北海道南東部
トウヒ属・モミ属・五葉マツ亜属の亜寒帯林
渡島半島と津軽半島
氷河時代の大型哺乳動物の減少
草原の減少や人口の増加による乱獲のため
アレレードの温暖期頃には絶滅
2万年前の氷河期の最盛期でも、氷河は中部日本と北海道の山頂部だけで、盛岡当たりまでツンドラ。
前期旧石器(高森遺跡の時代)東アジアで人類(原人)が到達した範囲は北緯40°までの温帯地域に限定
(これより北で生活するノウハウをもたなかった)
北海道は無人の地で、サハリンの対岸にもヒトは住んでいない
渡来は現在は海底に没した東シナ海あるいは朝鮮半島の南方方面に限定
福井県鳥浜貝塚(11,180±180年前)
淡水産のカワニナ・トンガリササノハ・イシガイ・マツカサガイ
カラスガイ・ヤマトシジミ・タニシ
海の貝サザエ・コシダカガンガラ・レイシ・マガキ・ハマグリ
貝類は13種
魚類ブリ・クロダイ・フグの一種・カツオ・マグロ・サメの一種・キギ
スズキ、サワラ、シイラ
淡水魚フナ、コイ
土錘や石錘すでに網を使用
イルカ、アシカ、シャチの骨
山のけものイノシシ・ニホンジカ・ニホンザル・ネズミの一種
イヌ・タヌキ・アナグマ・ツキノワグマ・テン・カワウソ
ニホンオオカミ・オオヤマネコ
山の幸
鳥浜貝塚周辺の森林遷移
ブナ林11,200年〜10,200年前 縄文草創期
冷温帯落葉広葉樹 多縄文系土器
ブナ属 隅丸方形の底部
コナラ亜属
トチノキ属
クルミ属
シナノキ属
亜寒帯針葉樹
トウヒ属
モミ属
ツガ属
五葉マツ亜属
ナラ林10,200年〜6,500年前 縄文早期
温暖化 押型文土器
暖温帯落葉広葉樹 とんがり底
コナラ亜属 勝坂式とは?
クリ属
スギ属
照葉樹林6,500年前以降 縄文前期
アカガシ、シイ、モチ
降水量増加 羽鳥下層[2]式
森を一部焼き払って居住地を作った 平底・丸底
栽培作物としてのヒョウタンと緑豆の出現 深鉢煮炊用
エゴマ、シソ
ウルシの使用が始まる
スギ林5,700年前以降 縄文前期
照葉樹林を伐採し燃やしたあとの 北白川下層[1]・[2]式
荒れ地にスギ林が拡大全体の50%以上
多量の炭片
花粉帯
l モミ属、五養マツ亜属
r[1] 10200〜8500
r[2]a 8500〜6500
r[2]b 6500〜4000
r[3]a 4000〜1500
r[3]b 1500〜現在
塚田松雄1967年
区分絶対年代西紀換算(1950年を起点)
l 晩氷期(寒冷)
10000〜11000bp(8050〜9050bc)
r[1] 漸暖期
約9500bp(約7550bc)
r[2] 温暖期
4000〜4500bp(2050〜2550bc)
r[3]a 減暖期
1500bp(450ad)
r[3]b 有史時代
l 亜寒帯針葉樹
lとr[1]の境bc8550±500
中部、関東の高地の泥炭湿原
r[1] ブナ落葉広葉樹林
1000年ほどの短い時期で一種の推移帯
r[2] ブナ極盛
中部地方現在より300〜400m上まで
平均気温2〜3℃高い
縄文中期
r[3]a 針葉樹が増える
r[3]b 人間の活動の影響大きい
森林を伐採し草原禾本科多い
それが二次林になってアカマツ
泥炭の堆積速度
10,500±145年前
0.07ミリ/年
9,640±125年前
0.0085ミリ/年
6,030±100年前
3.7ミリ/年
5,960±100年前
森林の変遷と文化要素の変化 |
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スギ | カシ | ナラ | ブナ |
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遺跡・遺構 |
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竪穴住居 | △ | △ | △ | |
貝塚 | ○ | |||
杭の配列 | ○ | |||
生産用具 |
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狩猟用具 | ||||
石鏃 | ○ | ○ | △ | ○ |
丸木弓(短弓) | ○ | ○ | △ | △ |
桜の皮をまいた弓 | ○ | |||
木製尖棒 | ○ | ○ | △ | ○ |
木製槍 | ○ | ○ | △ | ○ |
漁労用具 | ||||
骨製ヤス | ○ | ○ | ||
石錘 | ○ | ○ | ||
土錘 | ○ | ○ | ||
丸木舟 | ○ | ○ | ||
櫂 | ○ | ○ | △ | △ |
漁網 | ○ | ○ | ||
植物採集加工具 | ||||
石皿 | ○ | ○ | ||
凹み石・磨石 | ○ | ○ | ||
礫器 | ○ | ○ | ||
磨製石斧 | ○ | ○ | ||
石匕(さじ) | ○ | ○ | ||
編み籠 | ○ | ○ | ||
木製品 | ||||
石斧柄 | ○ | ○ | ||
板・棒 | ○ | ○ | ○ | ○ |
小型弓 | ○ | ○ | ||
栽培植物 |
||||
ヒョウタン | ○ | ○ | ||
リョクトウ | ○ | ○ | ||
工芸・装飾品 |
||||
日用工芸品 | ○ | ○ | ||
漆塗り椀・盆 | ○ | ○ | ||
編み物 | ○ | ○ | ||
糸・紐・縄・網 | ○ | ○ | △ |
|
骨製針 | ○ | ○ | ||
装飾品 | ||||
漆塗りの櫛 | ○ | |||
骨製ペンダント | ○ | ○ | ||
骨製髪飾り | ○ | ○ | ||
貝輪 | ○ | |||
技術の発達 |
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漆の使用 | ○ | ○ | ||
土器の補修 | ○ | ○ | △ | ○ |
もじり編み | ○ | ○ | ||
木を焼いて整形 | ○ | ○ | ○ | ○ |
その他 |
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糞石 | ○ | ○ | ||
土器 |
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種類・用途 | ||||
煮沸用 | ○ | ○ | ○ | ○ |
丹彩土器 | ○ | |||
漆塗り土器 | ○ | |||
浅鉢形 | ○ | ○ | ○ | ○ |
深鉢形 | ○ | ○ | ○ | |