第5章 資料
RNAは、DNAのデオキシリボースが酸素が1つ多いリボースに、TがU(ウラシル)に変わり、二重螺旋を作らないもの。
リボースに変わったため切れやすいので短い。
TがUになったのは、オリジナルとコピーを混同しないようにするためかもしれない。
RNAのコピーにはDNAのような修復機能がないので、ミスマッチが起こりやすいため、変異しやすい。
RNAウイルスは情報を蓄積できないから、変異をいくら繰り返してもウイルスのままにとどまる。
次の3種類がある。
リボソームRNA(rRNA)
メッセンジャーRNA(mRNA) 一本の鎖のような形
転写RNA(tRNA) 広げるとクローバーの葉のような形
本体のDNAを直接いじるのは危険なので必要な部分を読み取る
mRNAスプライシング
↓
リボソームに伝える
↓
tRNAに伝える(「アンチコドン」、コドンがネガ)
↓
tRNAがアミノ酸を運んでくる(アミノ酸と同じ数の種類)
40億年前、始原原核生物の出現。
38億年前、生物はRNAワールドからDNAワールドに入る。
35億年前、酸素はまだなく、嫌気性の原核生物。
20億年前、バクテリアが光合成を始める。やがて、葉緑素を持った藍藻細菌(シアノバクテリア)が光合成を始める。
オーストラリアの藍(らん)藻(ストロマトライト)はその子孫。
葉緑体は核とは別のDNAもつことから、原生生物の細胞の中に原核細胞のらん藻細菌が住み着いたと考えられる(共生)。
地球に酸素が増えるに従い、嫌気性の原核生物は地中や海底深くに逃げていったが、逆に好気性の生物が出現した。
その中にミトコンドリアがいた。
体が小さく構造が単純で、DNAが変異しやすいミトコンドリアは、酸素を使ってエネルギーが得られるように、体を改造した。
ヒトの細胞1個に3000個近いミトコンドリアがあり、
5分子ほどの17キロ塩基対のDNAを持つ。
それに対し、嫌気性で既に大型化したものは、細胞も複雑化し、ミトコンドリアのように、簡単に自己改造できない。
そういうものの一つに真核生物の祖先がいた。
両者は、大型の嫌気性生物にとってミトコンドリアの能力を利用し新しい環境に適応することができるし、
ミトコンドリアにとっては体が小さくエサとして狙われやすいので、
大型の嫌気性生物の体内に入った方が安全であることから「共生」したと考えられる。
その後の研究で当初は「共生」だったとしても現在ではミトコンドリアは「奴隷」状態であるようだ。
共生したことにより核ができた
細胞小器官として別の原核生物を入れたので、何かの拍子に傷つく恐れや、DNAが混ざって変異が生じる恐れがでてきた。
DNAが裸でいるのは危ないので核ができたと考えられる。
核ができてDNAが核膜で保護されるようになったので、イントロンの部分を削る必要がなくなり、そのまま残されたのではないか。
壊れる危険性が大幅に減少したので、不要なものを残しても差し支えない。
また、書き直すより、残したままで、書き足す方がずっと手間がいらない。
いずれにしても、進化の過程で不要になっものが、捨てられずに残されてきたことは確実である。
95%もあるということは、ヒトに進化するまでそれだけ試行錯誤をしてきた証である。
共生
サンゴ
褐虫藻(鞭毛藻類)光合成
細胞内共生
根粒バクテリア
植物細胞内
互いに相手が居なくてもOK
アブラムシの体内の「菌細胞」の中にバクテリア
アブラムシの胚に感染し次世代に伝えられる
互いに相手が居ないとダメ
アメーバに似た新しい生物に、ひものような形をしたスピロヘータの仲間が共生して鞭毛となり(これはマチガイだった)、
らん藻が共生しては葉緑体を持つ植物に変化
ミトコンドリアも葉緑体も自分のDNAの指令により分裂・増殖をしている。そのため1つの細胞の中に多数いる。
ミトコンドリアは酸素を利用したエネルギー変換装置、ATP(アデノシン三リン酸)をつくる。
ミトコンドリアDNAの多型
卵子の細胞質を通じて常に母から子へと伝わるから、数世代を隔てていても相互の関係がわかる。
生命体RNA起源説
最初にできた核酸はDNAで、RNAはDNAが自分の情報を発現するために自分に似せて作った派生的なものと考えられた。
しかし最初にDNAのような安定したものができたと考えるのは不自然で、むしろ不安定なRNAが初めではないかと考える者もいた。
この考えは「セントラルドグマ」により「絶対に有り得ない」とされた。
1970年「セントラルドグマ」が崩れ、生命体RNA起源説が浮上した。
それによると、最初に原始的なRNAができ、海中のアミノ酸と結びつき、自己複製機能や代謝機能を獲得しRNAウイルスになった。
RNAは不安定なので、自分自身を維持しにくい。そのため、二重螺旋構造をとったものや、デオキシに変形したものができた。
遺伝情報を保護するには安定したDNAの方が良い。そこで、RNAの情報を逆転写酵素で、DNAに書き写した、
DNAウイルスが出現した。DNAは修復できるから確実に進化し、やがてバクテリアのように細胞を持つに至った。
40億年以上前の地球環境
宇宙から放射線
無数の隕石
太陽から強い紫外線
月と地球の距離は現在の数十分の一
潮の干満は現在の10倍
陸地はわずか
重い元素は地球の中心部に集まり、
炭素、水素、酸素、窒素などの軽い元素は地球の表層部に集まり地殻を形成
これらが大気や海洋を構成する二酸化炭素、硫化水素、シアン、メタンなど
無機化合物をつくる
二酸化炭素に満たされた大気は1000℃以上
硫化水素やシアンを大量に含んだ高熱酸性、高硫黄の海水
この環境でアミノ酸やアルデヒデなどの有機モノマー分子が合成
5億年後
陸地はほとんどない
火山噴火による高熱と流出する硫化物、硫黄、水素などに満たされる
大気は厚い二酸化炭素に包まれ高温
海洋は150℃以上
無機化合物(アンモニア、窒素、水素、二酸化炭素、水、メタン)
↓紫外線
低分子無機化合物(ATP、アミノ酸、単糖、脂肪酸)
↓
高分子有機化合物(核酸、タンパク質、多糖類、脂質)
↓
40億年前始原原核生物の出現、RNAワールド
↓逆転写酵素
DNAワールド
生命を構成する2つの基本物質系
タンパク質系
ミラーの実験
アミノ酸溶液に紫外線
↓
アミノ酸の連なり(ポリペプチド)
核酸系
アルデヒドに紫外線
↓
糖と塩基
↓
燐酸に結合しATP
↓
短い核酸
↓
濃縮と乾固により高分子化への次の反応が進む
(粘土塊、干潟か浅い粘土質の池)
生命をつくる高分子に要求されるもの
(1)自己複製
(2)変異性
(3)触媒機能
(1)(2)は核酸が、(3)はタンパク質が持つ
タンパク質を正確につくるには核酸が必要で
核酸をつくるには酵素機能を持つタンパク質が必要であることから
原始地球ではタンパク質が先に出来たと考えられていた
1981年T・R・チェック(コロラド大ボールダー校)
核酸の触媒機能の発見
単細胞の原生動物テトラヒメナ
リボソームRNA(リボソームを形成する分子)
↓イントロン除去
成熟リボソーム
酵素がなくてもおきる
RNA自身が酵素のはたらきをした(セルフ・スプライシング)
RNAの酵素(Enzyme)性=リボザイム(Ribozyme)触媒RNA
アルトマン
同様の実験
RNAが3つの条件を満たした
タンパク質の先導的分子であることが判明
リボザイムの発見により自己増殖分子として
地球に最初に誕生したのはRNA
(1)太古の地球のシアンやアルデヒドからリボースは合成されるが
デオキシリボースはされない
(2)自己増殖分子として適度に突然変異を起こすことが必要だが
リボースは不安定で変異しやすい
またRNA鎖の多くは一本鎖で不安定
(3)DNAにはリボザイムのような機能はない
細胞膜系の発達<P27>
単位膜
グリーンランド沖の島
38億6千万年前の地層
直径10〜20μ球形の炭素塊
生命体としての構造は見つからなかったが
12Cと13Cの比から生物の可能性が高い
シャボン玉のような小球体であるのは細胞壁が発達せず
細胞の内圧で膨らんだ段階の原始細胞
オーストラリア北西部グレートサンディ砂漠西
ビルバラ累層群(火山岩と堆積岩)
アフリカ南部スワジランド累層群
1993年カリフォルニア大学J・W・ショップ教授ら
34億6500万年前の岩石中
ビーズのように連なりうねっている
現存の藍色細菌のユレモのよう
これらから
始原細菌は36億年前に誕生
原核細胞
1〜10μ
DNAのある部分とリボソームに満たされた細胞質部分
核膜ない
真正細菌(大腸菌、藍色細菌(シアノバクテリア))
古細菌(メタン細菌)
生物3000万種以上(細菌以外)
3つのドメイン
真正細菌
真核生物
古細菌
ミトコンドリア
ヒトの細胞1個に約2000個
原核生物のエネルギー獲得法
水素細菌(アクイフェックス)
水素や硫黄を酸化
硫黄細菌
硫化水素、硫黄→硫黄、硫酸→ATP
酸化
亜硝酸細菌や硝酸細菌
アンモニウムイオン、亜硝酸イオン→ATP
酸化
化学合成細菌が合成した有機物や
紫外線・宇宙線が海洋や干潟につくった有機物
から「解糖」によりエネルギーを得る
従属栄養の発酵細菌
アルコール発酵菌、乳酸菌
嫌気呼吸
グルコースが解糖系を経てピルビン酸に分解
これがアルコール発酵ではエタノールと二酸化炭素に
乳酸発酵や解糖では乳酸に
光合成
発酵の解糖系の経路を逆転
そのためのエネルギーとして太陽光
太陽光を捕らえるクロロフィルをポルフィリンから合成
大量の硫化水素を還元し水素をつくり
二酸化炭素と結びつけて有機物を合成
嫌気的条件下の最初の光合成
1983年H・ミヘル博士提唱
嫌気的光合成細菌の細胞膜に
ATP合成酵素、クロロフィル、チトクロムb、c
キノン、カロチノイド、脂質、タンパク質などが組み込まれる
最初の光合成細菌は長波長の光を利用する緑色光合成細菌
明反応、暗反応
30億年前短波長利用の緑色光合成細菌
28億年前シアノバクテリア発生
硫化水素の環境から中性の水環境へ
27億年前シアノバクテリア大繁殖
37〜35億年前
シアノバクテリアのつくり出す酸素は海水を飽和させ
大気へと広がり、過酸化酸素、活性酸素となり
嫌気性細菌を大量絶滅させた
わずかに逃れた嫌気性の紅色光合成細菌は
地中や泥炭中を這い回る生活をしていた
それらの中から
光合成の暗反応を逆転させクエン酸回路に
糖の合成系を解糖系に反転させて
酸素を利用できるようになった好気性細菌が誕生
嫌気性細菌→真核生物(ギアルディア、トリコモナス)
核膜あり、細胞内小器官ない、嫌気性、解糖
25億年前嫌気性細菌大型、偏平、鞭毛
その結果DNAが大量になる、解糖ではエネルギー不足
これを解消するために核膜の形成、好気性細菌の共生
20億年前真正細菌群爆発的に増加
原因
超大陸の形成
「細菌の有性生殖」1946年J・レーダーバーグ大腸菌の性を発見
好気性αプロテオ細菌←真正細菌の光合成細菌
↓
18億年前宿主真正細胞に共生
↓
ミトコンドリア
最古の真核生物
18億年前の植物プランクトン
1999年27億年前説
核膜の形成(25〜20億年前)
原核生物は原形質膜で染色体を分配
核の一部は膜に結合しており、分裂のときに核を引っ張るのが細胞膜の一部
DNA量の増大により膜の負担が大きすぎるので、細胞膜を陥入させ核膜をつくり、
核分裂を核膜にまかせた
その他に
身体が偏平で大きくなったため、核と栄養のある細胞外との距離が遠くなり、
代謝に必要な物質が核に入りにくくなったので細胞膜を陥入させ核に近づけた
DNA分子の形が環状から線状
染色体数が細菌は1本だったのが真核細胞では複数になった
線状となると短くても末端から壊れ易い(末端にテロメア)
核小体(仁):リボソームRNAを合成する
S:沈降係数、分子や顆粒の大きさを示す単位
無ミトコンドリア生物<P86>
DNA→一本鎖RNA(mRNA)
転写 ↓移動
リボソーム
↑運ぶ(tRNA)
アミノ酸
rRNA(リボソームRNA)