第5章 資料
 第2節 遺伝
  第5項 逆転写酵素

逆転写酵素
 DNAの構造を解明したクリックは、DNA→RNA→蛋白と転写が行われ、逆はないと考えた。 これを「セントラルドグマ」という。しかし、1970年RNAからDNAへ逆行する経路が発見された。 RNAからDNAに転写する酵素があったのである。 それが逆転写酵素で、これにより、セントラルドグマは崩れた。
 この逆転写酵素をもつRNA型ウイルスを、逆転の意味のレトロをつけてレトロウイルス(retro virus)といい、 がんウイルス、エイズウイルス(HIV)などがある。
 ウイルス粒子をつぶした液にマグネシウムなどを加え、チミジン3リン酸(TTP)の取り込みを調べる。 TTPはDNAには入るがRNAには取り込まれない。
 RNAウイルスから作られるDNAをウイルスの前身という意味でプロウイルスという。

レトロウイルスのはたらき
↓細胞に感染
一本鎖RNA
↓逆転写酵素
RNA/DNA
↓RNAが分解
一本鎖DNA

二本鎖DNA・・・・ここまで逆転写酵素のはたらき
↓細胞のDNAにもぐり込む
プロウイルス
↓細胞の機能を利用
自らを再生産する

 細胞をつぶしてRNAを分離、逆転写酵素でDNAを作る。 これにより実際に働いている遺伝子(cDNA)だけを取り出すことが可能になった。 cDNAはmRNAから逆転写酵素により転写されてできたDNA。

村松の本