第5章 資料
第2節 遺伝
第10項 マラリア
ヘモグロビン「ヒトの遺伝子p59」
グロビン鎖が4本とアルファ鎖が2本、ベータ鎖が2本で四量体と呼ばれる
(アルファ鎖はアミノ酸141個、ベータ鎖は146個)。
そのすき間に鉄を含む平らなヘム分子(酸素と結合)がある。
ヘモグロビンs(正常ヘモグロビンa)はベータ鎖の6番目のアミノ酸が、
グルタミン酸からバリンに変わったもので、
DNAレベルではこの部分の塩基一つがAからTに入れ替わったもの。
鎌状赤血球症
ヘモグロビンは細い血管を通り抜けるとき酸素を手放すが、
ヘモグロビンsは酸素濃度が低いと結晶化し、
その赤血球は正常な形を保てず大きく変形してしまう(三日月形や鎌のような形)。
そのためしなやかさがなくなり毛細血管を通り抜けることができない。
あるいは壊れたり溶けたりしやすい。
これは内部に住み着いているマラリア原虫にとっても居心地が悪い。
ベータ鎖の遺伝子は11番の染色体上にあり、
正常遺伝子a、異常遺伝子sとすると、
患者はss、保因者はas、正常はaaとなる。
中央アフリカの一部の地域ではsが20%以上もあり、
アラビア半島やインドの一部などにもある。
適応度
マラリアの流行地
aa個体 1.0 0.88
as個体 少し低い 1.0
ss個体 ゼロに近い
aa1.0だとasは1.136
(1.0÷0.88)
マラリア流行地ではaa個体よりもas個体の方が適応度が高い、
という逆転現象が生じる。これを超優性という。
適応度=特定グループの産児数÷住民全体の平均産児数
淘汰係数=1-適応度
適応度1.0以下の遺伝子は淘汰により少しずつ消えていく。
ウガンダではマラリアはインフルエンザのようなもので、
2,3日微熱が出てやがて治まるという、モン族の死に至る病と全く異なる。
モン族はマラリア耐性を持たないことから南方系ではないことがわかる。
最初にsができたとき、何万ないし何十万に一人だとしても、
何十万年というヒトの歴史の中で、何十%もの中央アフリカのレベルになる。
しかし100%にはならない。それはas同士の結婚が増え、
4人に1人ssができるためsの遺伝子頻度が釣り合うためである。
ベータグロビン遺伝子の近くにあるDNA多型を調べることにより、
変異が人類の歴史の中で1回だったか、繰り返しだったかがわかる。
1回ならs個体の多型パターンは一種類になるし、
繰り返しならいろいろな多型を示す人が見つかるはずである。
調べてみると繰り返しで、西アフリカで1回、
インド、サウジアラビア、アフリカのガボンでおそらく各1回、
合わせて3ないし4回であることがわかった。
HTLV感染(ヒトT細胞白血病ウイルス、human T-cell leukemia virus)
古モンゴロイドの特徴
沖縄、五島列島、対馬、隠岐ノ島
九州(鹿児島、長崎)
四国の九州寄り
紀伊半島
三陸海岸
佐渡、飛島
北海道のアイヌ
アフリカ
カリブ海の原住民
南米のインディオ
パプアニューギニア
アボリジニ
Y染色体のDNA多型
Y2 日本人の30%と韓国人の10%程
エベンキ、モンゴルの多数ハルハ族、台湾人(客家)
北京付近(元、清)と広東省(南方系)はY1だけ
北方モンゴロイドに属する黄河グループの中でY1からY2へ転換
ウィルス(1996.2.20.22:00〜23:00-12ch大正製薬スペシャル)
細胞としての構造を持たず、RNAとコピー機能だけを持つ。
細胞に侵入してその細胞のDNAの一部になり、細胞の機能を利用して増殖する。
超高速遠心分離器で結晶化できる。
肝臓ガン
肝炎ウィルスによるものが全体の84%、うちB型が24%、C型が60%。
インフルエンザ
スペインかぜでは2300万人が死亡し、戦争(第一次大戦)を中止させた。
シベリア、アラスカのカモの腸内にいたものが、カモの渡りで南下して、
中国雲南省のニワトリ、アヒルの腸内に移り、一緒に飼育されているブタで変異して呼吸器に入る。
そしてヒトに感染して香港から全世界に拡散する。
未感染のウィルスが11種残っている。遺伝子の数8万〜10万のうち70%は使われていない。
かって感染したウィルスの残骸(内在ウィルスという)と考えられる。
ヒトのすべての染色体にレトロウイルスの残骸がある。
サルからヒトへの進化のきっかけはウィルスの感染による突然変異ではないか。
HIVの場合、人間の開発により未知のウィルスと接触して起こったが、過去にもそういった例があった。
モンゴル系は移動によりマラリアと出会った。
97年5月H5A型香港ウイルス発見(1997.9.21TBS報道特集)
39℃の高熱
喉の痛み
乾いた咳
HA抗原
トリH1〜H15
H1:1918年スペインかぜH1N1
H2:1957年アジアかぜH2N2
H3:1968年香港かぜH3N2
ソ連かぜH1N1
H13N9
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ螺旋菌)
1982年オーストラリアで発見される。鞭毛を持つ。
アンモニアを出し、胃の粘膜がもろくなる、
そこにストレスなどによる胃酸過多で潰瘍を作る。
日本人の40%以上、40才以上では7〜8割が感染している。
経口感染と思われる。