第5章 資料
第3節 人類の進化
第9項 ネアンデルタールとクロマニヨン
イスラエル、ケバラ洞窟「モシェ」化石
83年10月
同伴したムスチエ文化のフリント製石器を熱ルミネッセンス法で測定して約6万年前
体形がずんぐりして、異様に骨太
身長160cmクラスでも体重80kgを超える
寒冷環境では体の大きい方が有利という法則どおりのネアンデルタール
「ベルクマンの法則」
大きなやかんの方が冷めにくいと同じように
同一種内では寒冷地の方が大きい
「アレンの法則」
四肢末梢を長くすれば凍傷になりやすい
必然的に体表面積も大きくなる(約半分は四肢)
イヌイット(エスキモー)とスーダンのディンカ族
脛骨の長さを大腿骨の長さで割った示数
現生アフリカ黒人86%
現生イヌイット81%
ネアンデルタール79%(これから環境を推定すると年平均気温−1℃)
顔面突出:鼻に大きな空間を確保
大きな鼻:熱交換
汗はすぐに凍って大敵だから
逆に冷たい空気を暖めるためという説もある
4万年前クロマニヨン洞窟
背が高く南の体型を示す(アレンの法則)
ラスコーの壁画
ケバラの東方約35kmカフゼー洞窟
88年熱ルミネッセンス9万2千年前
91年電子スピン共鳴法(ESR法)12万年前
最終氷河期7万数千年前(ステージ4)
ネアンデルタール人ではなく
プロトクロマニヨン(早期ホモサピエンス)
ムガレット・エス・スフール洞窟(子山羊の洞窟)
ESR法8万1千と10万1千年前
男183cm、女170cm、脛骨/大腿骨示数約84.6%
早期ホモサピエンス
カフゼーとスフールから10万年前に早期ホモサピエンス
カルメル洞窟
タブーン洞窟
11万年前ネアンデルタール
イスラエル、アムッド洞窟
4万年前ネアンデルタール
中東にネアンデルタール(寒冷地のヨーロッパ人)
氷河期のヨーロッパにクロマニヨン(熱帯のアフリカ人)
97年7月16日新聞報道
独・ミュンヘン大学と米・ペンシルベニア州立大学
元祖ネアンデルタール化石(1856年発見のもの)のミトコンドリアDNA分析
現生人と60万年前に分岐し、祖先ではない。
ホモサピエンスの西進=白人化
中東にしばらくとどまる。
アフリカに居るとき黒い肌は紫外線を防ぐのに有利だが、
ヨーロッパではカルシウム代謝に必要なビタミンDを合成できない。
皮下脂肪にはビタミンDになる前の物質があり、それが紫外線により、ビタミンDに変化する。
ビタミンDが不足すると「くる病」になる。
青い目も同様。
フランス、サン・セザール
91年36300年前
サン・セザール東方アルシ・シュル・キュールのトナカイ洞窟
96年33800年前(C14)
ピレネー以北の最後の遺跡
南スペイン、マラガ近郊サファラヤ洞窟
95年33400年前(共伴するアイベックスの歯をトリウム・ウラン法)
最上層から
トリウム・ウラン法で27000年前
C14で29800年前
最新のネアンデルタール遺跡
サファラヤの西約400kmポルトガルのフィゲイラ・ブラバ遺跡
30930年前
ヨーロッパに初めて石刃技法のホモサピエンスの出現
4万3千年前ブルガリア、バチョ・キロ遺跡
オーリニャック文化
3千年でイベリア半島まで達する
ネアンデルタールからクロマニヨンへの移行の理由
外来集団の伝染病説
縄文−>弥生結核
インカ帝国の例などあるが、
速やかに置換しているから、ヨーロッパで最低1万年の共存と合わない
他の理由
コンピュータシミュレーション(ニューヨーク州立大エズラ・ズブロウ)
生産技術のわずかな差
↓
両集団の死亡率に約2%の差
↓
わずか1千年で一方は絶滅
種にもよるが三桁を割ると
遺伝的多様性が失われ
個体の抵抗力が弱まり
繁殖力自体が衰える
ビン首をすり抜けられない
自然状態では
環境収容力を越えられない
現代は科学技術で60億人だが
1万1千年前の農耕以前は1千万人以下で、
それとても、後期旧石器の発達したホモサピエンスの場合
ネアンデルタールはさらに見劣りする
持たなかったもの
石刃技法
骨角器(針、槍先、銛先、ビーズ玉)
芸術
社会的ネットワークの違い
石材のほとんどはすぐ近くで調達したもの
80km以上離れたものは稀であった
対して、クロマニヨンは最遠数百kmの例もある
言語能力
言葉を話したのは180万年前。 喉の奥の広がりがないと様々な音がつくれない。
ヒトも2才くらいになって始めてできる。
ネアンデルタールについては、舌骨だけでははっきりしないが、ハンデがあったと考えられる。
それに対し、クロマニヨンは確実に話していた。
早い成長(ジブラルタルの例では3,4才で脳容量は1400ccもあった)と短命(35才以上は10%以下)
↓
学習期である成長期が短く、知恵を伝える先人もいない
↓
文化伝達で不利
3万年前を前後に全ヨーロッパから消える(現生人とつながらない)