第25項 創世神話

楚雄イ族自治州姚安、大姚、塩豊県などのイ族
 「梅」 (メイゴ)と呼ばれる一種の曲調にのせて唱う神話叙事詩。

天神の格滋(ゲツ)は天を造らんとして九つの金果を投げた。 それは九人の男となり、そのうち五人が天を造った。 また地を造らんとして七つの銀果を投げると七人の娘となり、そのうち四人が地を造った。 だが完成した天地を測量すると天は小さく地は大きすぎた。 そこで大地をまわりから締め付けて縮めると凹凸のある地形ができあがった。 だが天地はまだ揺れ動いて定まらない。 そこで天神は三千斤の雄魚と七百斤の雌魚を捕らえて大地を支えさせた。 雄魚が瞬きしたり、雌魚が身じろぎしたりしなければ大地は揺れぬはずである。 揺れ動く天は、猛虎を殺しその四本の骨で支え上げた。 虎の左目は太陽に、右目は月になった。

麗江納西族
李霖燦「麼些(モソ)経典訳注九種」
 天地混沌たるとき、すべての善なるものの神イグォカとすべての悪なるものの神イグティナが生じた。 イグォカは一個の白い卵に変じ、そこから一羽の白い鶏が生まれた。 鶏は九対の白い卵を産み、そこから創造神である九兄弟と七姉妹が生まれた。 一方、イグティナは黒い卵に変じ、それが黒い鶏となり、 その産んだ九対の黒い卵からはさまざまな悪霊が生まれた。 九兄弟は天を開き、七姉妹は地を開いたが天地は安定しない。 そこで世界の東西南北と中央に柱をたてて天を支え、さらにその後、 霊山ジナロワ山を築いて天を支え地を抑えた。

李霖燦「麼些族的故事」「麼些研究論文集」
 天地ができあがってみると、地のほうが大きく、そこで地を縮めた。

東巴文字による神話テキスト(中国語訳)

在東方用白海螺天柱


在南方用緑松石天柱


在西方用黒墨玉天柱


在北方用黄金天柱


天和地中央用白鉄天柱

緑松石=トルコ石


日本語訳
東に白い巻き貝の柱を立て
南にトルコ石の柱を立て
西に黒玉石の柱を立て
北に黄金の柱を立て
天地の中央に鉄の柱を立てて天を支えた。


大理白族「創世記」
 左目が太陽、右目が月。
古事記
 イザナギ、左の目からアマテラス、右の目からツクヨミ、鼻からスサノオ。