熱帯モンスーン
毎年5月頃、南インド洋に巨大な高気圧が発生する。その中心地は、マダガスカルの東、マスカリン諸島のモーリシャス島。
この高気圧は、同じ頃、太陽に暖められたアジア大陸の低気圧に向かって風を吹き出す。こうしてモンスーンが生まれる。
マダガスカルでは風速30mの冷たく乾いた東風が吹く。土地の人達はこれを「バラターザ」と呼ぶ。
この風はアラブやアジアとの交易に使われた「ダウ船」という帆船を動かす。
ケニアのモンバサ港からソマリアのモガディシオまでの600kmをわずか2日間で運ぶ。
赤道を越えたモンスーンは地球の自転によるコリオリの力を受け、北東に進路を変える。
アラビア海で水蒸気を補給し、インド南西のケララ州ヴァリアットラ・ビーチに5月末上陸する。
それは、気温40℃の暑季の終わりであり、9月まで降る「バルサーダ」という激しいスコールの始まりである。
上陸後、西ガート山脈に沿って北上し、1週間ほどでゴア州の水田を潤す。
モンスーンは更に北上して、やがて神々の座ヒマラヤに出会う。
「風の回廊」と呼ばれる峠を越えた風はチベットに到るが、東進して雲南に恵みの雨を降らす。
そしてここから日本を目指す。6月、日本に梅雨をもたらし、8月には日本海を北上して行く。